【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
ま、まさか、これから何かされちゃうってこと?
最悪な結末が頭を掠めた瞬間、船酔いのような気持ち悪さなんてもうすっかり何処かに消え去っていた。
が、しかし、恐る恐る顔を上げた途端、今度は頭にズキズキとした痛みが駆け巡る。
そこへまた、
「いやまぁ、そうだよなぁ。あんた、見た目は美人で派手そうだけど、真面目そうだもんなぁ。未成年だし、まだ酒なんか飲んだこともないよなぁ」
なんとも軽い口調で、問いかけるでもなく、そんなことを呟いたかと思ったら、続け様に、
「ほら、水と薬。飲めそうだったら飲んどいた方がいい」
そう言うと、頭痛の所為で頭を抱え込んだまま何も返せずに居る私の目の前に、ミネラルウォーターのペットボトルと薬の箱をポンと置いた男の姿が現れた。
といっても、頭を抱え込んでベッドに蹲っているため、足元しか見えないのだけれど。
その足元を視線だけで上へと巡らそうとしているところに、その男が今度は、
「なんなら俺が飲ませてやろうか?」
この状況でとても冗談とはとれないことを言ってきて、ベッドに片膝を突いて迫ってきた。
絶体絶命のこの緊急事態に、私は頭の痛みも眩暈も忘れて、勢いよく飛び起きるやいなや、男に強烈な平手打ちをお見舞いしていて。
その瞬間、バッチーンと豪快な音が鳴り響き、その後を追うようにして、男の悲痛な声が部屋中に響き渡ったのだった。