鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 王子に念を押すように、

「あくまでもセフレとしてですが」

やっぱり甘やかな声音で耳元でそう囁かれて。

「ええ、モチロン。今は仕事が楽しいので、恋愛なんて煩わしいことに時間なんて取られるのは御免ですから」

無意識にそんなことを言ってしまっていた。

 もうこの時点で、彼女になんてなれる可能性なんてゼロだったに違いない。


✧✦✧


 バーを出てからホテルに向かう間も、終始優しくて、本当の王子様のようなエスコートだったはずが……

 ホテルの部屋に入るなり王子の雰囲気がガラリと様変わりした。

 ……といっても、口調はこれまで通りとても優しいし、甘いマスクだってそのままだ。

 けれどなんだろう、纏う空気の温度が冷たくなって、眼差しも冷ややかなものになっていて。

「あぁ、確認ですが。僕は、セックスにおいて女性に指図されたりするのは嫌いですので、全て僕の指示に従っていただきます。それでも構いませんか?」
「ーーえ!? あぁ、はい」

 ーー主従関係をハッキリしておくってことね? わぁ、凄くドキドキしてきた。

 いつも仕事ではキャリアっていう立場から、部下に指示することの方が多くて、なんだかとても新鮮な気がしたのを今でもハッキリと覚えている。
< 578 / 619 >

この作品をシェア

pagetop