鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
いつの間にか熟睡してしまってた私が、開け放たれた窓からそよそよと吹き込んできた風に乱された自分の髪の毛に頬を擽られて目を覚ますと、眼前に結城君のドアップの顔が迫っていたものだからビックリしたなんてもんじゃなかった。
眠ってしまった私の顔でも覗き込んでいたのだろうか?
はたまた、私が起きないから起こそうとしてくれていたんだろうか?
結城君は、今まさに覗き込んでましたって感じで、目を見開いて固まってしまった私と目が合った瞬間。
「気持ちよさそうに眠ってたから起こすに起こせなかったんだ。起きてくれてよかったぁ」
なんて言ってきて、嬉しそうにニッコリと眩しいくらいの笑顔を満面に綻ばせている結城君。
――起こしてくれようとしてたんだ。ありがとう。
普通の女子ならきっとそういって頬を赤らめただろう。けれども私は、ビックリしすぎて、それどころじゃなかったのだ。
ガバッとベッドから飛び起きるようにして起き上がろうとした私は、寝起きの所為で頭が働かなかったんだと思う。
眼前に結城君が居るからそんなことしたらぶつかってしまうというのに、飛び起きちゃった私は、結城君とぶつかってしまったのだった。
といっても一瞬だったけれど、その場所が悪かった。
なんと、結城君の唇と自分のそれとが一瞬かちあってしまい、最悪なことに、私は記念すべきファーストキスを喪失してしまったのだった。