鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

「すず、その言い草、酷くない? もういい、あんたなんか親友でも何でもない」
「あー、ごめんごめん。お詫びに何でも聞いて上がるからさ、このすず様にいってみなさい?」
「……誰にも言わないって約束できる?」
「モチのロンよ」
「なんか信用できない」
「冗談よ、冗談。絶対口外しない。約束する」
「……実はね」

 でも、いつまでもウジウジしてるのも、なんだか意識しちゃってるみたいで嫌だし。

 あれは、事故だったわけだから、あんなのファーストキスにはカウントされないだろうし。すずに話してスッキリしてしまおう。

 そう思って、結城君が夢に出てくる王子様の雰囲気によく似ていたこと、ぶつかって保健室までお姫様抱っこで運んでくれたこと、そして《《ある部分》》がぶつかってしまったこと等々を話したというのに……。

「わぁ! ちょっと、侑李。それ、前に私が言ってたシチュそのままじゃんっ! ――て、ちょっと苦じい……」
「すず、あんた、声がでかすぎっ!」
「あぁ、ごめんごめん。でも、それって運命だって。わぁ、でもまさか学校一人気のあるあの、結城君だったとわねぇ」
「……え!? そうなの?」
「あれ? 前に言わなかったっけ?」
「そうだっけ?」

 途端に、目をキラキラと輝かせて『運命だ』なんだと興奮気味にはしゃぎだしてしまったすずの思いの外大きな声にギョッとなった私は、慌ててすずの口を塞いで事なきを得たけれど、すずの口から飛び出した新事実に、私はなんとなく嫌な予感めいたものに襲われたのだった。

 残念なことに、この時感じた私の予感は見事的中することになる。
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