【完】スキャンダル・ヒロイン

「はい…。私…実際現場を見た事はなかったんですけど。
なんか…!
姫岡さんを包み込むオーラっていうんですか?!ぜっんぜん違いますよね?!
そりゃー周りもプロの俳優さんだから一般人とは全然違うんですけど、姫岡さんは別格ですよね?!」

思わず力説すると、坂上さんは頬を緩ませて嬉しそうに笑った。

「うん。僕もそう思う。姫岡真央は間違いなく天才だ。演技をするために生まれてきた」

私だってそう思う。

プライベートの意地悪で口の悪い素の姫岡さんだって悪い人ではないし面白いけれど…
彼の中にあんな素敵な感情や表情が眠っているのに…だからこそ勿体ないと言うのだ。

この人は演技をする自分だけじゃなくて、その演技に携わる全ての人を大切にするのに誤解されてばっかりじゃ…勿体ないと言うのだ。

「姫岡さんスタッフさんの名前ほぼ覚えてますよね?」

私の言葉に坂上さんは目を細める。

「あの人本当は礼儀正しい人ですよね…。それに作品を作り上げている全ての人を尊敬してる」

「真央くんは昔からそういう人だよ。小さい頃からこの業界にいる子だからね、どんなに下っ端のスタッフにも親切にするし、嫌な顔のひとつもしない子だ。
けど本当に色々あって…自分の感情を素直に出すのがいつのまにか苦手になってしまってさ。
僕たちみたいな身近なスタッフは理解出来るけど、あんまり彼のことを知らない人には誤解されがちな所がある」
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