【完】スキャンダル・ヒロイン
大袈裟に病院に連れてこられた。
病院まで向かう坂上さんはもはや半泣きで「僕が代わりに庇っていたら」「僕がどんくさいから」「静綺ちゃんに怪我をさせてしまった」と自分を責め続けた。
車の中でも私の体を自分の方へ引き寄せる姫岡さんは、運転席の椅子を足で思いっきり蹴り上げて「うるせぇ!早くしろ!」とパニックになっている坂上さんを急かした。
私は大丈夫!何度もそう言ったけれど…車の中で私を抱き寄せ睨みつける姫岡さんの腕が僅かに震えていて…何も言えなくなってしまった。
結果病院に行って詳しい検査をしてもらうと、何も異常なし。軽い打ち身だと診断された。
ここまで丈夫だと逆に、大袈裟にしてしまった事が恥ずかしい。
姫岡さんは病院に着いた瞬間医者の胸倉を掴み、助けて下さい!と何とも無礼に頼んでいた。…いや、全然意識あったし、私は薄々気づいていたよ。大した怪我ではないって。
「いやぁ~…良かったよぉ~…静綺ちゃんの怪我が大したことなくって」
病院帰り。車の中で坂上さんはえらく安心したようでこちらまで安心してしまった。
さっきまでは半泣きになりながらハンドルを握っていたから心配したものだ。
「大丈夫ですよ。大体病院なんて大袈裟ですよッ。
小さい頃から生傷なんていくつも作ってきたんだし、こんなん自然に治ってたのに…」
「でもね僕は……静綺ちゃんが死んだらどうしようって心配で…」