【完】スキャンダル・ヒロイン
「あら私はそのまま食べる派ね。納豆をご飯にかけるとご飯と納豆のお互いの良さをつぶし合うわ」
「いや、山之内さんそれは違うでしょう。納豆がご飯の良さを引き立ててくれているんだ。その食べ方を僕は絶対に認めない」
納豆ひとつでふたりは朝から不毛な戦いを始めていた。
あーだこーだ言いながらも朝ご飯を食べ終えたふたりは会社へと向かう。
坂上さんを捕まえて、真央のドラマの件について訊いて見た。
「ねね、坂上さん。昴さんから聞いたんですけど、真央が秋のドラマに出演するって!」
「そうそう!僕が説得して真央くんもやっと納得してくれたみたいでね。
それに今回のドラマを撮る監督が何回か真央くんと仕事をしている人で、かなりのお気に入りでさー
ずっとオファーは貰ってたんだ。真央くんがやっとやる気になってくれて安心したよ。
まぁ体調面では不安ではあるけど…」
「体調面?」
坂上さんの言葉に首を傾げると、「行くよッ」と山之内さんに無理やり連れていかれた坂上さんはこちらに手を振って寮を後にした。
「あー…真央ちゃんって繊細な面があるから1年休業してるのって精神的な問題なんでしょう?」
「瑠璃さんあんまり人のそういう話はベラベラするべきではないと思いますけど…」
「うるさいなぁ~!豊はッ。静綺ちゃんは信頼してるから話してるのッ。
てか大丈夫なのかなぁ~…。一時期はお医者さんにも行ってたんでしょう?こういう問題は繊細だから…」
「彼が自分自身でやると決めた事に僕達は口出し出来ないでしょーよ」
先程の坂上さんの意味深な言葉を、起きてきてご飯を食べている瑠璃さんと豊さんに訊いて見た。
その話を昴さんも無言のまま聞いていた。