【完】スキャンダル・ヒロイン

「それに芸能人にアンチはつきものですよ。有名税つー奴です。
僕や瑠璃さんみたいに売れていないタレントにだっているんだから。寧ろアンチは人気のバロメーターでもあります」

「売れてないって言うなや!」

ふたりの話を聞いている限り、やっぱり芸能人って特殊だ。沢山の人から称賛をされるのと引き換えに、誰にだって一定数アンチはいる。世界中の全ての人間から好かれるのなんて不可能だ。

寧ろそんな人がいたらおかしいし。けれど公人という立場で、顔も見た事のない人間に好き放題言われるのは仕方がない部分っていうのもある。けれど心では分かっていても割り切れないのが人間の感情なのだ。

でも圧倒的に応援をしてくれている人の方が多いんだから、自分がしている事を誇りに思って欲しい。

「昴はど~なの?そういうの気にする?」

「俺は全然。自分の事が好きな人がいれば、嫌いな人もいるって割り切ってますから。
てゆーか割り切ってなきゃこんな仕事してられない。でもそれは俺達がある程度大人になってからこの業界で働きだしたのも関係していると思いますよ。
真央の場合子役時代から有名だったから、心無い人の悪意に晒される機会は俺達よりずっと多かった筈だ。ましてや多感な時期に心無い中傷をサンドバックのように受けて来たら、心が壊れてしまわない方が不思議な位だ」

やっぱり昴さんは素敵な人だと思う。客観的に自分を見て、相手を思いやる気持ちも持っている。

でも昴さんの話を聞いて…更に心配になってしまった。真央は小さい頃から芸能界にいるんだもんね。大人と一緒に仕事をしてきて、そして世間から注目されればされるほど、その環境が怖くなる事だってあっただろう。

ネット社会の現代だから、それはなおさら。
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