【完】スキャンダル・ヒロイン
「チッ」わざとらしい程大きな舌打ち。
今日も今日で寮で1番早起きの癖に、ご飯は1番最後の真央。
「おかわり」
無言で朝ご飯を頬張る。
やっぱり昨日の事があって、少し気まずい。意識をしているのなんて私だけなんだろうけど。
ドラマに出演するの早く言いたいのに…何故か言い出せない。黙々とご飯を口に運ぶ真央を黙って見つめるだけ。
その視線に気づいたのか視線を少しだけ上げて、目を細めてジーっとこちらを訝し気な表情で見やる。
「なんだよ。浮かれやがって。ぬぁーにが’いってらっしゃい、あなた’だよ」
「そんな言い方してないーッ!」
「フンッ。昴が寮に来てから浮かれっぱなしなのが目に見えてバレバレで痛いんだよ。このミーハー女が。
昴も昴だ。ぬぁーにが現場から近いだッ。女好きめ」
どうしてこうにも憎まれ口ばかり叩けるのか。黙っていれば良いものの…。
「そんな事より!
昴さんから聞いた。真央秋の2時間ドラマに主演で出るんでしょう?」
その言葉に彼の眉がぴくりと動いた。そしてまるで抑揚のない口調で言う。
「まあな。昴のドラマの時期と被ってるつーのが気に食わないが…。昔からお世話になってる監督がどーしてもって言うから。
それに坂上さんがどうしてもって取って来た仕事だし…」
「昴さんから聞いてびっくりした。
本当に本当に楽しみ!
また真央の主演してるドラマが見れると思うと楽しみすぎる!
ねぇ、どういう感じの内容なの?」
自分ながら恥ずかしい程興奮していたと思う。けれど私は彼の出演している映画やドラマはほぼ見てしまって、彼の演技のいちファンでもある。