【完】スキャンダル・ヒロイン

「え……自分で超超超人気イケメン俳優とか言っちゃうの?きしょッ!」

思わず口から本音が出てしまい、不味いと思った。

しかし後の祭り。超超超人気イケメン俳優の姫岡真央は雑誌で見せる笑顔とは裏腹に、恐ろしい程怖い顔をしてテーブルの上にあった雑誌を何冊か手に取ったかと思えば、それを思いっきり床に叩きつけた。

「クソ、ブスが!お前ぜってー5階には近づくなよ?!
近づいたらぶっ殺す!」

姫岡真央は私へ殺人予告を残したまま、事務室を出て行った。
ぶるりと震えが止まらない。

今までの人生芸能界とは全く関係のない世界で生きてきた。勿論芸能人とお知り合いになる機会も無く…。

今怒り狂い私へ’殺す’と言ってきた人間が…この雑誌に爽やかな笑顔で写っている人と同一人物…?

芸能界は恐ろしい所だ…。やっぱり芸能人って裏表が激しいんだ!

「ぷぷぷ。もうあなたって面白い女の子ねぇ」

姫岡さんの怒りとは対称的に山之内さんはどこかツボにハマったらしく、笑いを堪え続けている。

けれども私は大真面目だった。

それに姫岡さんは自分で超超超人気イケメン俳優だと言っていた。恐らくそれは虚言ではないと思う。私が芸能界に疎いだけだ。

だってその証拠に床に虚しく叩きつけられた雑誌には彼がピンで表紙を飾っている。

それによくよく事務室を見回せば、大滝昴と同じくらいデカデカと彼のポスターは壁に貼られているのだ。
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