【完】スキャンダル・ヒロイン
あぁー…改めて口に出すと惨め…。
可愛い顔に生まれたかった。
「あら大きくて綺麗な目じゃないの。それに魔女鼻も鼻が高くて通っているって事でしょう?
それは美人の条件よ。それにふわふわの髪の毛も可愛いし」
ふわふわのセミロングの髪の毛。パーマぶっているが実はこれはくせっげである。これもまた私のコンプレックスのひとつだった。
山之内さんの言葉は全部お世辞だろう。これだけ芸能関係の仕事を長くしている人であれば、人を上手に褒める術には長けている筈だ。
本気にしてはいけない。
「それでですが…このバイトは…」
「栄養学科に行っているんならば健康に良い料理を作ってくれるでしょう?
私芸能人も体が資本だと思うのよね。
だからただ料理が出来ればいいって訳じゃないと思っていたの。
そう考えたら静綺ちゃんは条件にピッタリよ!
本当に良い子を紹介してくれて嬉しいわぁ~。
それに私も個人的にあなたが好きだと思う。だってあなたって少しも飾った所がなくって、面白い子なんだもん!
これからよろしくね」
気が強い癖に…流されてしまうのは私の悪い癖だと思う。
あれだけ断ろうと心に決めていたのに、強引な山之内さんに引き止められてしまい結局バイトをする羽目になった。
しかも住み込みで…。頭がクラクラとしそうだった。
住み込みじゃなくって通いでも良いのよ。と言われたけれど…千葉の実家から朝早くここまで通うのは辛すぎる。
ここでバイトするという事は有無を言わせずに住み込みになってしまうのだ。