かりそめお見合い事情~身代わりのはずが、艶夜に心も体も奪われました~
……お見合いのときに私が話してたこと、覚えてくれてたんだ。
日差しのせいじゃなく、頬が熱くなる。思いのほかすぐ近くにあった笑顔に心臓を高鳴らせながら、私は答えた。
「あ……うれしい、です。連れてきてくださって、ありがとうございます」
「よかった。じゃあ、向こうの方に行ってみようか」
「はい!」
赤や白、ピンクなどの花が咲き乱れる様は、まるで色鮮やかな絨毯を眺めているようだ。
奥宮さんと並んで歩きながら、のんびりと美しい景色を堪能する。
「そろそろ少し休もうか」
「はい。……あ」
声をかけられて返事をした私は、ふと顔を動かした先にあったものを見てつい視線を止めた。
気づいた奥宮さんが、同じ方へと目を向ける。
「ああ、ジェラートか。食べる?」
「あ、えと……はい」
誘惑に抗えず、コクリとうなずいた。
さっきのランチのお店でも、マスター自慢のティラミスをしっかり食べたというのに……甘いものには自重がきかなくて、我ながら困ってしまう。
食いしん坊だと思われてないかな、と恥ずかしくなりつつチラリと奥宮さんをうかがってみると、彼は相変わらずのやわらかな笑みで私のことを見つめていた。
その優しげな眼差しに、一瞬呼吸を忘れて硬直する。なぜだか妙に焦ってしまった私は、その焦燥感のままに口を開こうとして──けれども不意に身体に衝撃が走り、思わず「わっ!?」と無防備な声を上げた。
日差しのせいじゃなく、頬が熱くなる。思いのほかすぐ近くにあった笑顔に心臓を高鳴らせながら、私は答えた。
「あ……うれしい、です。連れてきてくださって、ありがとうございます」
「よかった。じゃあ、向こうの方に行ってみようか」
「はい!」
赤や白、ピンクなどの花が咲き乱れる様は、まるで色鮮やかな絨毯を眺めているようだ。
奥宮さんと並んで歩きながら、のんびりと美しい景色を堪能する。
「そろそろ少し休もうか」
「はい。……あ」
声をかけられて返事をした私は、ふと顔を動かした先にあったものを見てつい視線を止めた。
気づいた奥宮さんが、同じ方へと目を向ける。
「ああ、ジェラートか。食べる?」
「あ、えと……はい」
誘惑に抗えず、コクリとうなずいた。
さっきのランチのお店でも、マスター自慢のティラミスをしっかり食べたというのに……甘いものには自重がきかなくて、我ながら困ってしまう。
食いしん坊だと思われてないかな、と恥ずかしくなりつつチラリと奥宮さんをうかがってみると、彼は相変わらずのやわらかな笑みで私のことを見つめていた。
その優しげな眼差しに、一瞬呼吸を忘れて硬直する。なぜだか妙に焦ってしまった私は、その焦燥感のままに口を開こうとして──けれども不意に身体に衝撃が走り、思わず「わっ!?」と無防備な声を上げた。