東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
「うわー、美味しそう」と、弾けたように桃花が笑った。

つられたように、叶星にも笑顔が戻る。

酷いとはいえ、言葉の暴力をほんの一言投げつけられただけの細やかな事故だ。
彼女の人生に影響を与えるほどのことじゃない。

何だかんだ言いながらも食欲を落とすことなく、しっかりと食べている桃花に安心しながら、叶星はブリュレにスプーンをつけた。

パリッと香ばしい音が食欲をそそり、思わず頬がほころんでくる。

「それより叶星、派遣先どこに決まったの?」

「ああ、うん」

気分も新たに、叶星はバッグの中に手を伸ばした。
派遣会社からもらっていた企業パンフレットが入っている。それを取り出して桃花に見せた。

「『兎う堂』。化粧品が安く買えるかも」
「うわー、ラッキーじゃん」

興味深げにパンフレットをめくった桃花は、ギョッとしたように目を見開いた。

「えっ?!この人! 叶星この人よ、この男!」

「え?」

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