東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
「それで? なにか、困ったことが起きた?」
叶星はハッとした。
私はお見合いをして結婚することにしたんです。
それが本当のことなら言えるけれども、今この話の流れで嘘の告白を言える気持ちにはなれなかった。
少なくとも真っ直ぐに生きて来たという彼に、嘘はつきたくない。
「彼、お見合いするんですよね? 実は、雑誌で見て」
伺うようにそう言うと、仁は怪訝そうに首を傾げた。
「雑誌?」
「涼花流の次期家元と婚約かって」
正直に言おうと決めても、夫人がマンションに来た話はするわけにはいかない。
咄嗟に思い出したのは雑誌だった。
叶星は大毅にもらったチケットで行ったエステサロンで読んだ話をした。
「へぇ、雑誌にね……」
「だから、別れようと思うんです。私には自信もないし、お見合いの話があるのに、ご家族に反対されてまでお付き合いを続ける気にはなれないし」