東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
「それで、なにがあったんだい? 聞こうじゃないか」
そう言ってセイさんは目を細め、デザートのシャーベットをスプーンですくった。


「別に何もないですよ。恋人っていうより、まだ始まる前っていうか始まったばかりっていうか。彼に縁談があるんですよね?」

「それで奥さまに別れるように言われたのかい」

叶星は迷った。
他ならぬセイさんになら正直に言ってみようかと思うが、それでもやはり言いつけることに抵抗があるのか、口は重たいまま開かない。

セイさんはお見通しとばかりに「やれやれ」と、ため息をついた。
「それであんたは反論しなかったのかい?」

「だって、反論したってしょうがないじゃないですか。私、なんのバックボーンもない普通の家の娘だし。まぁ今は兄が仕事で成功して家族は経済的には余裕がありますけど、でも東堂家につり合うようなものはなにもないんだもん」

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