東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
東堂家にも頻繁に出入りするようになり、最近は彼の母親である東堂夫人から彼のプライベートに関する相談もされることもあった。

あの子は結婚する気がないの? 付き合ってる女の子はいないの? 見合い話にも一向にのってこないのは何故なのかしら? 三十過ぎて一体どういうつもりなの、等々。

一族の繁栄のためにも跡取息子に早く身を固めてほしいと思うのは当然だろうし、副社長という立場から考えてもそのほうがいいのだろう。

ただ、そう言われても、プライベートなことにまで口を挟みたくはないと黒崎は思っている。社会的問題に繋がるなら別だが、秘書の仕事ではないと。

でも――。
なんとなく気になって聞いてみた。


「副社長は、どんな女性となら結婚してもいいと?」

「いきなりなんだ」

「ふと、思ったもので」

「さあな、想像もつかない」

――やれやれ。

彼の結婚はもしかしたら来世かも、と黒崎は心でため息ついた。


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