東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
あれは報告ではなく指示だったということにするつもりなのだ。その時点でもう無理だとわかっていたに違いなく、だから当日になって休んだのだろう。きっとそう、わかっていて逃げた。派遣社員に責任をなすりつけるつもりで。
叶星は開いた口が塞がらなかった。
――こいつ、ダメなだけじゃなくて、クズだ。
昨日の、必死に走り回った自分が可哀想になった。
でも、今回のことは自分や会社のためにはよかったとしても、彼のためにはどうだろう?
三十歳にもなってこの男は、こんな調子で世の中通ると思っているのだろうか?
全く反省の色を見せない野呂に、叶星はただただ呆れるばかりだった。高学歴というだけで仕事ができないこんな男が普通に座っているこの『兎う堂』という企業にも。
「全く、あれでクビにならないって、どれだけ甘いの? っていうか、人を見る目がないわけ?」
叶星は開いた口が塞がらなかった。
――こいつ、ダメなだけじゃなくて、クズだ。
昨日の、必死に走り回った自分が可哀想になった。
でも、今回のことは自分や会社のためにはよかったとしても、彼のためにはどうだろう?
三十歳にもなってこの男は、こんな調子で世の中通ると思っているのだろうか?
全く反省の色を見せない野呂に、叶星はただただ呆れるばかりだった。高学歴というだけで仕事ができないこんな男が普通に座っているこの『兎う堂』という企業にも。
「全く、あれでクビにならないって、どれだけ甘いの? っていうか、人を見る目がないわけ?」