保野田、意味わかんない
彼は壁にのせていた足を下げ、小さい頃によくやっていたおやま座りの体制になった。
膝の隙間に頭を埋めるから、
「いじけてるの?」
本当に小さい子みたいだ。
「んー……違うけど」
「じゃあ何」
「熱いの」
暑いのか、と思った。でもそれは、最初だけ。
「熱いの」
もういちど言って、顔をあげた彼は……耳まで真っ赤。
「な、んで、そんなに真っ赤なの」
思わずこっちが、恥ずかしくなった。
「なんか、嬉しくて」
素直に嬉しいだけを言わず、なんかよくわかんないけどね、みたいなニュアンスを付け足すのが保野田らしい。