溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
週末の土曜日夕方六時、私の就職内定祝いが行われた。
場所はお洒落なイタリア料理の落ち着いた感じのお店。
このお店は内藤さんのお友達のお店らしく、急な予約にも関わらず個室を用意してくれたらしい。
私は大輝と最寄り駅で待ち合わせをしお店に向かった。
母と内藤さんは先ほど店に到着したから先に入って待っていると言う。
「こんばんは。李子ちゃん内定おめでとう。第一希望だって?良かったね。」
私たちが部屋に入るなり優しいいつもの笑顔でお祝いを言ってくれる内藤さん。
「初めまして、内藤です。」
「初めまして、風間です。今日はお誘いありがとうございます。」
「いやいや、本当は二人でお祝いをしたかっただろうに邪魔してごめんね。君にも会ってみたかったから。」
和やかな雰囲気でお祝いの食事会が始まった。
内藤さんのお友達の料理はどれも美味しく、あっという間にデザートを残すのみになった。
そしてちょうどそのタイミングで内藤さんが話始めた。
「李子ちゃん。本当は今日話すべきことじゃないと思うんだけど聞いてくれるかな?」
ん?何を?悪い事?
少し不安な顔をしたのが分かったのか大輝が私の手を握ってくれた。
「はい。」
「あのね、沙代里と結婚しようかと思うんだ。いいかな?」
「いいかなって・・・。お母さんの返事は?」
「一緒にいたいと思う。達也にも今日電話して聞いたの。『いいんじゃない。俺も近くに入れないし、守ってもらえる人がいるなら安心だし』って。」
この二人が付き合いだしたのはいつからだか知らない。
父が他界し三カ月経った頃から母は今勤めている設計事務所の事務職員として働き出した。
そこで設計士として働いている内藤さんと出会った。
初めは普通に上司と部下だったのだと思う。小学生の時にその事務所のバーベキューに行った時はそこまで仲良しに見えなかったし。まあ子供だったから分からなかっただけかもしれないが。
ここ数年、達也が大学に進学した頃からちょくちょく家にも来るようになったから、付き合ってるんだと普通に思っていた。
私たちのためにずっと父に縛られる事もないと思ってたから、そんな人が現れたことにホッとした。
「そっか。私は賛成だよ。内藤さんの事もずっと見てきたけどお母さんの事、大切にしてくれてるのわかったし。あっ、偉そうにごめんなさい。」
「いやいや、謝らないで。そんなふうに見てもらえて嬉しいよ。」
そしてこの結婚してもいいですか?報告だけで終わると思いきや、ずっと答えを先送りにしていた同棲話を一気に進展させる話が持ち上がった。
『それでね』と言い二人目を一度合わせ照れた顔で話を続ける母。
年内には籍を入れ、一緒に暮らしだそうと思ってると言うのだ。
それも私も一緒に。
今の家からだと私の決まった就職先まで一時間ちょっとかかるが内藤さんの住むマンションなら三十分ほどで通えるからと。
しかも3LDKだから私の部屋もちゃんと確保できるし、達也が帰省しても泊る部屋もあるからと。お母さんたちが一緒に住みだすのはいい、反対は無い。
でもそこに私までお邪魔するのは・・・。
「私、これを期に一人暮らしする!」
新婚さんの家にいるのは嫌だ。
たまにだからいいものの、毎日ラブラブな親を見ると思うと、それは祝福する気持ちとはちょっと違う。
「何言ってるの。」
「そうだよ、李子ちゃん。一人暮らしさせてると思うと心配で僕たちも安心して生活出来ないよ。」
「でも・・・。」
隣で私の手を握り、ずっと何かを考え込んでいた大輝が提案した。
「あの、俺も少し前から李子に提案してたんですけど。李子との同棲認めてもらえませんか?」
場所はお洒落なイタリア料理の落ち着いた感じのお店。
このお店は内藤さんのお友達のお店らしく、急な予約にも関わらず個室を用意してくれたらしい。
私は大輝と最寄り駅で待ち合わせをしお店に向かった。
母と内藤さんは先ほど店に到着したから先に入って待っていると言う。
「こんばんは。李子ちゃん内定おめでとう。第一希望だって?良かったね。」
私たちが部屋に入るなり優しいいつもの笑顔でお祝いを言ってくれる内藤さん。
「初めまして、内藤です。」
「初めまして、風間です。今日はお誘いありがとうございます。」
「いやいや、本当は二人でお祝いをしたかっただろうに邪魔してごめんね。君にも会ってみたかったから。」
和やかな雰囲気でお祝いの食事会が始まった。
内藤さんのお友達の料理はどれも美味しく、あっという間にデザートを残すのみになった。
そしてちょうどそのタイミングで内藤さんが話始めた。
「李子ちゃん。本当は今日話すべきことじゃないと思うんだけど聞いてくれるかな?」
ん?何を?悪い事?
少し不安な顔をしたのが分かったのか大輝が私の手を握ってくれた。
「はい。」
「あのね、沙代里と結婚しようかと思うんだ。いいかな?」
「いいかなって・・・。お母さんの返事は?」
「一緒にいたいと思う。達也にも今日電話して聞いたの。『いいんじゃない。俺も近くに入れないし、守ってもらえる人がいるなら安心だし』って。」
この二人が付き合いだしたのはいつからだか知らない。
父が他界し三カ月経った頃から母は今勤めている設計事務所の事務職員として働き出した。
そこで設計士として働いている内藤さんと出会った。
初めは普通に上司と部下だったのだと思う。小学生の時にその事務所のバーベキューに行った時はそこまで仲良しに見えなかったし。まあ子供だったから分からなかっただけかもしれないが。
ここ数年、達也が大学に進学した頃からちょくちょく家にも来るようになったから、付き合ってるんだと普通に思っていた。
私たちのためにずっと父に縛られる事もないと思ってたから、そんな人が現れたことにホッとした。
「そっか。私は賛成だよ。内藤さんの事もずっと見てきたけどお母さんの事、大切にしてくれてるのわかったし。あっ、偉そうにごめんなさい。」
「いやいや、謝らないで。そんなふうに見てもらえて嬉しいよ。」
そしてこの結婚してもいいですか?報告だけで終わると思いきや、ずっと答えを先送りにしていた同棲話を一気に進展させる話が持ち上がった。
『それでね』と言い二人目を一度合わせ照れた顔で話を続ける母。
年内には籍を入れ、一緒に暮らしだそうと思ってると言うのだ。
それも私も一緒に。
今の家からだと私の決まった就職先まで一時間ちょっとかかるが内藤さんの住むマンションなら三十分ほどで通えるからと。
しかも3LDKだから私の部屋もちゃんと確保できるし、達也が帰省しても泊る部屋もあるからと。お母さんたちが一緒に住みだすのはいい、反対は無い。
でもそこに私までお邪魔するのは・・・。
「私、これを期に一人暮らしする!」
新婚さんの家にいるのは嫌だ。
たまにだからいいものの、毎日ラブラブな親を見ると思うと、それは祝福する気持ちとはちょっと違う。
「何言ってるの。」
「そうだよ、李子ちゃん。一人暮らしさせてると思うと心配で僕たちも安心して生活出来ないよ。」
「でも・・・。」
隣で私の手を握り、ずっと何かを考え込んでいた大輝が提案した。
「あの、俺も少し前から李子に提案してたんですけど。李子との同棲認めてもらえませんか?」