183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「アホな冗談かましてると、この前のように奥さんが誤解するぞ。大金積まれようが脅されようが俺は断る気でいたが、結果として追い払ってくれたのはお前の勇ましい奥さんだ。抱きしめたいなら、真衣さんにしろ」

柊哉は斜め後ろに振り返る。

そこでは真衣が、ぶり返した羞恥心の中で頬を赤らめていた。

抱きしめるという冗談についてではなく、勇ましいと言われたことを恥じているのだろう。

我慢ならず響子に食ってかかった自分を、大人げなかったと思っているのではないだろうか。

(可愛いな……)

そう思う柊哉だが、素直に口には出せない性格をしている。

「真衣、顔が赤いぞ。抱きしめられることを期待しているのか?」

つい、からかうような言い方をしてしまうのは、柊哉も照れくささを感じているからであった。

案の定というべきか、真衣が怒りだす。

「そんな期待するわけないでしょ。私、先に帰るから」

「待てよ」

ドアへと一歩踏み出した真衣の手首を、柊哉が捕えた。

「お前、用があってここへ来たんだろ?」

まさか響子の企てに気づいて阻止するために来たのではあるまい。

「それは……」

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