183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
新しいものは電子書籍にすれば、これ以上保管場所に困らないのであろうが、真衣は紙本にこだわる。
インクの匂い、紙の質感、表紙カバーの光沢、古本の色あせている風合いもいい。
紙本でなければ愛着が持てないという真衣の乙女漫画は、これからも増え続けるであろう。
(私の可愛い漫画本たち。あれだけは絶対に死守したい。でも副社長とは結婚できない。女性に対してウザイなんて酷いことを言い放つこの人とは、絶対にうまくやっていけない。彼の本性を見る前なら、ひょっとすると、乙女漫画のヒロインになった気分で前向きに考えていたかもしれないけど……)
真衣が必死に祖父に頼んでいると、副社長が立ち上がった。
「真衣さん、桜がまだ咲いているようです。ふたりで庭園を散策しましょう」
「はい?」
この状況でなにをのんきなことを言っているのかと、真衣は眉を上げて彼を見る。
けれども真顔の彼に「ふたりで話がしたい」と付け足され、「わかりました」と立ち上がった。
破談にする策を相談しようという誘いだと思ったからだ。
「それがいいな。もっとお互いのことを話さにゃならん」
インクの匂い、紙の質感、表紙カバーの光沢、古本の色あせている風合いもいい。
紙本でなければ愛着が持てないという真衣の乙女漫画は、これからも増え続けるであろう。
(私の可愛い漫画本たち。あれだけは絶対に死守したい。でも副社長とは結婚できない。女性に対してウザイなんて酷いことを言い放つこの人とは、絶対にうまくやっていけない。彼の本性を見る前なら、ひょっとすると、乙女漫画のヒロインになった気分で前向きに考えていたかもしれないけど……)
真衣が必死に祖父に頼んでいると、副社長が立ち上がった。
「真衣さん、桜がまだ咲いているようです。ふたりで庭園を散策しましょう」
「はい?」
この状況でなにをのんきなことを言っているのかと、真衣は眉を上げて彼を見る。
けれども真顔の彼に「ふたりで話がしたい」と付け足され、「わかりました」と立ち上がった。
破談にする策を相談しようという誘いだと思ったからだ。
「それがいいな。もっとお互いのことを話さにゃならん」