183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
整った顔立ちをして、桜の花のような笑顔がチャーミングでもある。

「ちっとも遅くないさ。わしらもさっき着いたばかりだ。絹ちゃん、その鶯色の着物、綺麗だなぁ。絹ちゃんの方がもっと綺麗だが。なーんてな。さあさあ、座って」

鼻の下を伸ばした祖父に、いい年してなにが絹ちゃんだ……と、真衣はつっこむことができずにいる。

真衣の二重の目は大きく見開かれ、絹代に続いて畳に足を踏み出した青年に向けられていた。

(う、嘘……)

柔らかそうなダークブラウンの髪は長すぎず短すぎず、お洒落な感じのするビジネスヘアに整えられている。

斜めに流した前髪の下には、キリッと男らしい眉と、清涼感のある切れ長の瞳。

卵形のフェイスラインも鼻筋も唇も、全てが完璧に整った顔をして、手足は長く、百八十超えの高身長。

スリーピースの高級そうなネイビースーツを華麗に着こなしている美青年が、そこにいた。

真衣が声も出せないほどに驚いているのは、彼の優れた容姿が理由ではない。

(私のお相手って、芹沢副社長!? なんで、どうして、今一番会いたくない人なのに……)

彼は芹沢柊哉(しゅうや)、二十九歳。

< 5 / 233 >

この作品をシェア

pagetop