183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
そこはスチールラックがずらりと並び、各種オフィス用品が段ボール箱に入って詰め込まれた、それほど大きくない部屋である。

真衣が備品台帳を開いて蛍光灯のある棚を調べようとしたら、付箋が貼られており、この部屋に入りきらないので隣のボイラー室に置いてあると書かれていた。

それで真衣は一度、廊下に出てから、ボイラー室と書かれた鉄製ドアのノブを回した。

ボイラー室に入るのは初めてで、ここに出入りするのは、自社ビルのメンテナンスを委託している管理会社の人くらいだろう。

今は誰もいないはずだと思って足を踏み入れた真衣だったが、ボイラーや空調機器の稼働音に交ざって話し声がした。

ボイラー室は長方形ではなく、鉤形のような形状である。

微かな話し声は、真衣からは見えない、三メートルほど先の曲がり角の向こうから聞こえた。

蛍光灯の入った段ボールはドア横に置かれていたが、誰だろうと好奇心をそそられた真衣は、奥へ歩き出した。

銀色の化粧カバーを巻いた配管が、横にも天井にも足元にも張り巡らされているため、気をつけて進み、角から顔を覗かせる。

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