183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
すると、すぐ目の前に、やけにプロポーションのいいスーツの背中があった。

(もしかして、副社長……?)

そっと近づいたためか、それともボイラーの稼働音がうるさいせいか、彼は後ろの気配に気づくことなくスマホを耳にあて、誰かと電話をしている。

『君との交際を終わらせたいと思ったからだ。それが理由だと、何度も言っているだろ』

苛立っているような声に真衣はハッとして、ついつい興味を持って話を聞いてしまう。

(電話で別れ話? 恋人がいたんだ……)

『わかった。そこまで知りたいというなら答えよう。頻繁なメールに困っていた。送ってくるだけならまだしも、返事を催促するのはやめてほしい。俺の顔色を窺うような目付きと、機嫌を取ろうとするような甘えた話し方、それも好まない。別れを受け入れると言っておきながら、こうして理由を問う電話をかけてくるところも、さらに俺の気持ちを萎えさせる』

(はっきり言いすぎ……。仮にも一度は愛した女性なのに……)

真衣は軽くショックを受けていた。

なぜなら副社長は、誰もが認める好青年。

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