183日のお見合い結婚~御曹司は新妻への溺甘な欲情を抑えない~
「おい、柊哉。聞いてるか? 株主総会だと言ってるだろ。早く支度しろ。昼食は車中で取ってもらう」

「そーかい」

「ボケか? 馬鹿か? ハゲてんのか?」

一切の遠慮のない失礼なツッコミに、柊哉は小さく吹き出した。

幼馴染で親友の啓介とは、馬鹿な会話を楽しめる。

もちろん副社長と秘書という立場があるので、ふたりきりの時に限られるが。

「遺伝的にたぶんハゲない。ああ、母方のほうはよくわかんないな」

そう答えた柊哉は革張りの椅子を回して後ろを向き、好意的な目に啓介を映す。

「やっぱ啓介といると楽でいい。結婚相手がお前ならよかった。俺の嫁にならないか?」

いつもの軽い冗談として言ったことだが、親友に心底嫌そうな顔をされる。

「キモイ。ぶっ飛ばすぞ。お前、奥さんの前でも本性さらけ出してると言ってたろ。家でいい子ぶる必要がないなら気楽じゃないか」

「そうだけど、真衣は気が強すぎる……」

啓介には半年契約の結婚についても、真衣の人柄についても、あらかた教えてある。

今朝の喧嘩についても話そうかと思った柊哉だが、今は真衣より啓介のおかしな行動の方が気になった。

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