元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
母を失ってまだ時間がたっていない杏奈。
それでも、杏奈は母の最期に立ち会えたことをよかったと思っている。
たとえ意識がなくても、ちゃんと感謝の言葉を言ったり、まだぬくもりのあるうちに手を握ったりできた。
「行きましょう」
「え?」
「会食は11時です。それまでも時間はあります。」
時計を見ると朝の8時半。杏奈は病院の場所をよく知っている。理事長と会った、母と同じ病院が瑠衣の母のいる病院だ。
だとしたら車で30分ほどで行ける。
「でも会議の準備がある。」
「私が資料を集めます。会場まで病院からは15分程度です。」
瑠衣は机の上の資料を見ながら、迷っているように見えた。
それでも、杏奈は母の最期に立ち会えたことをよかったと思っている。
たとえ意識がなくても、ちゃんと感謝の言葉を言ったり、まだぬくもりのあるうちに手を握ったりできた。
「行きましょう」
「え?」
「会食は11時です。それまでも時間はあります。」
時計を見ると朝の8時半。杏奈は病院の場所をよく知っている。理事長と会った、母と同じ病院が瑠衣の母のいる病院だ。
だとしたら車で30分ほどで行ける。
「でも会議の準備がある。」
「私が資料を集めます。会場まで病院からは15分程度です。」
瑠衣は机の上の資料を見ながら、迷っているように見えた。