元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

「承知いたしました。」

瑠衣はまっすぐに顔をあげて前を見ている。

杏奈は瑠衣から渡されたメモを見ながらその文字が昔と変わらないことに懐かしさを感じながらギュッと握り閉めた。




「ここが社長室です。」
武藤製薬の社長室はかなり広く、社長室内に秘書の机も置かれている。
そして室内には様々な先代の社長も使っていた会社の資料だけではなく、会社の商品に関する資料や医学書、薬学書、最新の医学情報誌などたくさんの文献が並ぶ大きな本棚が置かれていた。

「なんか緊張するな」
そう言いながら瑠衣は部屋の奥に入って行った。

今日からこの同じ部屋の中で一緒に仕事をする・・・。
杏奈も気合を入れながら自分の机の方へと進んでいった。