元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する
「でも、精一杯頑張る。会社も、杏奈も守る覚悟で俺はここに来た。」
まっすぐな視線にとらわれて目をそらせない。
「だから一緒に」
杏奈は瑠衣の目をまっすぐに見つめながらその言葉を遮った。

「今日から、よろしくお願いします。武藤社長。」

杏奈の返事に瑠衣は満面の笑みになった。
「よろしく」
瑠衣が差し出した大きな手に一瞬戸惑ってから杏奈は自分の手を差し出す。

杏奈の手よりも一回りは大きな瑠衣の手が、杏奈の手を強く熱く包み込んだ。

「あ、秘書としてだけじゃなく、俺は杏奈自身もあきらめないからな。覚悟しとけよ」
そう言って瑠衣は自分の席に戻ると、杏奈が淹れた甘いコーヒーをグイっと飲んだ。

杏奈は急激に熱くなる自分の頬に手をあてて隠しながら自分の席に戻った。
杏奈の席からも瑠衣の席からもお互いのことがよく見える。
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