捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
(抱っこしたかったって感じではないけど……。私に取られて悔しかったのかな)

 会いたかった存在だとしても、鳴が一番好きなのは父親ではなく母親の私だ。涼さんが放置されたことをおもしろくないと思ってもおかしくはない。残念ながら私はかなりいい気分だったけれど。

 嫌がる鳴と押さえつける涼さんを横目に、できた料理をテーブルへ運んでいく。そうして食卓の準備を整え、私と鳴が隣同士、涼さんがその向かい側に座る形で席についた。

「じゃあ、いただきます」

「いたーきます」

 ぱちんと鳴が両手を合わせて元気に言う。おとなしくして見えたけれど、やっぱり興奮状態にあるらしい。いつもの鳴だったらもっと静かにいただきますをしている。

< 106 / 462 >

この作品をシェア

pagetop