捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 理解できないという思い。焦り、戸惑い、それからひどく落ち着かない気持ち。私の頭は困惑で満たされる。

 まだ身体は動かないし、頭も働かない。涼さんに抱き締められて嬉しいような気もするけれど素直に喜んでいい状況ではない、と思う。

「あの」

 問おうと再び口を開いたとき、ふ、と耳に吐息を感じた。それとほぼ同時に、耳のふちを甘噛みされる。

「っ……!」

 ぞくぞくと全身が震えて足に力が入らなくなる。

 身体の奥からどっと熱いものが込み上げて、反射的に腕の中から逃げ出してしまった。

(耳、噛まれた!)

 壁際へ飛び退り、突然の動きに対応できなかったらしい涼さんと向かい合う。背中を壁にもたれさせていないと、へたりこんでしまいそうだった。

「い、いきなりなに……!」

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