捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 ひ、と引きつった声が喉奥から漏れた。

 まったくもって意味がわからない。こんなことを言われるなんて誰が予想していただろう。

 心臓が早鐘を打つ。どきどきしているというには切羽詰まっていた。

 嬉しいという以上に戸惑いが強くて、なにかの冗談なのではという気にさせられる。

「お……お断りします……」

「理由は? 納得いくものなら諦めよう」

 限界を超えた私が拒んでも、社長は冷静に対応した。私にもその冷静さをわけてほしい。

「身分違いというか、社長に私はふさわしくありません」

「俺は気にしない」

「そもそも社内恋愛はよくないと思うんです」

「社内恋愛を禁じる規則はない」

「……私を好きになる理由がありません」

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