捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 テーブルの下で自分の手を握り締める。どきどき、と心臓の音をこんなにうるさく思うのは初めてだった。 顔が火照って恥ずかしい。きっと赤くなっているのだろう。

「お前がいい」

 耳をくすぐるような声に心が陥落する。

「じゃあ……よろしくお願いします」

「それは試用期間を設けるという意味で、か? それとも普通の恋人として扱っても構わないか?」

「社長はどうしたいですか……?」

「希望を言えば、今夜は帰したくない」

 なにもかもすっ飛ばした発言に眩暈がした。クールな人だと思っていたけれど、今の言葉と先ほどの言葉を考える限り、そうではないのかもしれない。

「そ、それはちょっと早いと思います」

「だったら待とう。心の準備ができるまで」

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