捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 穏やかな顔で言われて、ああ、と改めて自分の中で気持ちが落ち着いた。

(私、この人のことが好きだ)

 ただの一社員である私に、下心があったらしいとはいえ優しくしてくれたところ。私が恋人になると受け入れてもなお、自分の希望より私の希望を優先してくれるところ。いつも気遣って、大切に扱ってくれていたところ。なにより、こんな私を心から求めてくれているところ。

「早く準備できるようにします、ね」

 うつむきながら言うと、くっと喉を鳴らすのが聞こえた。

 顔を上げた私に、見たことのない笑みを浮かべた社長が映る。

「楽しみだな」

 今の今まで社長の顔立ちが整っていることを意識していなかったのに、その笑みを見た瞬間なにもかも吹き飛んでしまった。

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