捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 髪から柔らかな頬へ指を滑らせる。翠の肌はなめらかで心地よい。触っていて飽きないからと、三年前まではことあるごとに撫で回していた。あの頃はくすぐったいと笑っていたのに、今の翠は笑ってくれない。

 最初は、いきなり社長室に乗り込んできた変な女でしかなかった。あまりにもインパクトが強すぎて、他人の名前と顔を覚えるのが苦手な俺にしては驚いたことに、すぐ天津翠という存在が焼き付いてしまった。

 たぶん、興味を惹かれたのだと思う。だからほかにも話を聞かせてもらいたいと彼女に誘いをかけた。快く引き受けておきながら仕事の話ばかりで、やはり変な女だと思ったのは記憶に新しい。 告白したその日になって初めてデートではないと思われていたことを知り、その態度に納得いったものだった。

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