捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 涼さんがこちらを見る。口調は偉そうなのに、ひどく寂しげな顔だった。保育園に預けるときの鳴と似た顔だとどこか他人事のように思う。

「……欲しいの?」

「ああ、欲しい」

 また即答された。それも、切なげな声で。

 いけない、と自分を止めようとする。だけどこの人が満たされていないことに気付いた今、寄り添いたい気持ちを抑えられない。

「あなたにだけはあげたくない」

 否定する言葉を吐きながら、手を涼さんに伸ばしていた。

 鳴と似ているのに違うのは頬の柔らかさ。そっと触れると、甘えるように擦り寄られる。

「翠?」

 好きだと言う言葉に嘘はないんじゃないかな、と思った。私から触れたことを戸惑いながら喜んでいるのが伝わってきて、たまらない気持ちになる。

「動かないで」

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