捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 ぴしっと決めたスーツは下ろし立てで、しわひとつない。髪も普段は流しているのをひとつにまとめ、気を引き締めた。

 鳴はいつも通り保育園へ送っている。よほどのことがなければ夜まで心配はないだろう。

(よし)

 大企業にふさわしいエントランスへ足を踏み入れ、まっすぐ受付へ向かった。案内を受けてエレベーターに乗り込むと、中はガラス張りで外がよく見える。高所恐怖症の人だったら足がすくんでいたかもしれない。たとえ高所恐怖症だとしても、今の私には気にならなかったかもしれないけれど。

 約束の時間が近付くにつれ、どきどきと鼓動が速さを増していく。

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