捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 私は涼さんにとても弱いらしい――と溜息を吐いたときだった。

 ばたん、とドアが開いてスマホを持った鳴が入ってくる。私が涼さんに抱き締められているのを見て、一目散に飛んできた。

「だめー!」

 鳴が私の手を引っ張って涼さんから引き離そうとする。素直に譲ればいいのに、涼さんも頑なに私の腰から腕を離さない。

「パパだめでしょ! ママはなるくんの!」

「俺にはその権利があると言っただろう。何度教えてやったらわかるんだ」

「わかんない!」

「また教え込んでやろうか」

「パパきらいー!」

 ふたりでいるときは仲良くやっているようなのに、どうしてか私が間に入るとこうなってしまう。取り合われてうれしいような、似た者親子がちょっとめんどくさいような、いつもそんな複雑な気持ちになった。

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