捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「それはあとで鳴らすものだと言っただろう」

 状況を理解できないでいる私をちらりと見てから、涼さんが鳴を拾い上げる。相変わらず持ち方が微妙に荷物っぽいけれど、鳴もうまくしがみついて適応していた。

「涼さん、これ……どういう……?」

「誕生日おめでとう」

「……え」

 なにを言われたのかわからずぽかんとする。

 そんな私に、鳴がぱちぱちと手を叩いてみせた。

「ママ、おたんじょーびおめでとー!」

「え、なんで……? え……?」

「きっと忘れているんだろうと思っていた」

 まだ呆然としている私を涼さんが引っ張ってくれる。

 慌てて靴を脱ぎ、リビングへ向かうとそこはいつもと景色が違っていた。

(すごい……)

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