捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 でもそれが、どうしようもなくうれしかった。こんなにおいしそうなケーキは見たことがないかもしれない。

「誕生日なんて……自分でも忘れてたのに」

「そんなことだろうと思った」

「だって、芽衣子もなにも言わなかったよ。去年までは一緒にケーキを食べ――」

 言いかけてはっとする。

 どうして今日、芽衣子は私に残業を頼んできたのか。たしかに仕事の量は多かったけれど、あのぐらいならいつもは自分でこなしていたはずだ。

「もしかして芽衣子も関係者だったりする……?」

「お前を喜ばせないとまた殴られる」

 肩をすくめて言う涼さんが、いつ芽衣子と連絡を取っていたのかまったく知らない。ただ、鳴が足元でにんまりしていた。

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