捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 諦めて気持ちを切り替え、以前この人と話していたときと同じように口調を改める。

「私は仕事の話をしに来たの。今回、『ドルチェ』の時計ブランドに携われたらうちにとって箔が付くからね」

「お前の会社にどんなメリットがあろうと、どうでもいい」

「あなたにはそうでも、私は違うの。芽衣子に恩返しをしなくちゃいけないんだから」

「……芽衣子?」

「あなたは私の親友の名前も覚えてくれてなかったわけね」

 どうしてこんな人を愛していると思ったのだろうと強く思うのに、荒れ狂う私とは対照的に凪いだ表情を見ていると切なくて泣きそうになる。

(どうしてあなたばっかり、平然としてるの?)

 私はこんなに心が乱れているのに、と心の中で恨み言を言う。

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