捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
(昔の恋人なら好きに弄んでいいとでも? ――絶対に許さない)

 ぎりぎりと唇を噛む私の心情を知っているはずなのに、涼さんは淡々と私に夜の予定を告げる。

 待ち合わせは二十一時、場所は私たちが初めてお泊まりデートをすることになった都内の高級ホテル。

(思い出まで汚すつもりなの)

 まだ、心のどこかで彼に期待している自分がいた。それが打ち砕かれた今、もう敵としてしか見られない。そう感じてしまう自分も悲しかったし、そう感じさせるこの人が憎らしかった。

「私に恋人がいるかもしれないって考えないの?」

「……いるのか?」

 初めて涼さんの声に感情がこもる。

(……怒ってる?)

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