捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 賑わいを離れると廊下は怖いぐらい静かだった。靴が沈みこむくらい柔らかな絨毯が敷かれているからだろうか、足音がまったく聞こえず、不安さえ覚える。

 ホテルを出ずに外の空気を吸う方法は、と探して、廊下の奥に外へ出る扉を見つけた。ガラス張りになっており、そこから景色を見られるらしい。もしかしたら普段は喫煙所として使われているのかもしれなかった。

 あっさり開いた扉の先へ出て、夜の少し冷たい空気を胸いっぱいに吸い込む。

 飲み会特有の賑わいは嫌いではなかったけれど、やっぱり肩に力が入っていたようだった。それにお酒を飲んだせいで顔が熱い。

 ここならば誰かに聞かれても酔いを覚ましていたという理由を付けられるだろう。そう考えてぼうっと景色を見ていたときだった。

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