捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 かたん、と背後で音がする。振り返った私はそこにいた人を見て絶句した。

「社長……」

 特になにを言うでもなく私の隣に立って欄干にもたれた社長は、穴が開くほど見つめていた私に視線を向ける。

「どうしたんですか、こんなところで。会場だったら向こうですよ」

「別に迷ったわけじゃない。お前が外に出るのを見たから追いかけてきただけだ」

 え、と声が出てしまった。誰かがついてくる気配など感じなかったけれど、いつから追われていたのだろう。

「誰かが来たらどうするんですか?」

「なにか問題があるのか?」

「ありますよ。社員とふたりきりなんて、問題になります」

「社長の俺が問題にしないなら、それは問題と呼ばないだろう」

「でも」

「来ない方がよかったか」

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