捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「しゃちょ――涼さん」

「ん」

 返事と一緒にふっと笑い声がこぼれる。私に名前を呼んでもらえたのがそんなに嬉しかったのか、いつもはきつくなりがちな目が緩く和んでいた。

「どうした」

「どうした、じゃないです」

「敬語も必要ない。普通に話せ」

「そんな急に言われても」

「恋人なのに敬語はおかしいだろう」

 ぬいぐるみと勘違いされているのかと思うぐらい、ますますきつく抱き締められて焦りが募る。

 この人は酒を飲むと私に会いたくなって触れたくなると言った。ならば今、きっと酔っているのだ。まずはその酔いを覚ますところから始めるべきだろう。

「け……敬語で話すのをやめるから、ちょっと離して」

「どうしても?」

「……どうしても」

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