捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 それは気に入らないのだ、と言いたげにゆっくりゆっくり腕が離れていく。その間じっと私を見つめる瞳には「やっぱり抱き締めてほしいと言わないだろうか」という期待がわかりやすく表れていた。

「涼さんって酔うんだね。お酒強そうなのに」

「弱くはない。今日は特別だ」

 一回離れたのにまた触ってこようとする。その手をやんわり押しのけると、しゅんとした顔になってしまった。

 会場にいる社員たちは、まさか社長がこんなところでしょんぼりしているとは思わないだろう。私だって涼さんがこんな顔をする人だと思っていなかった。

「疲れてたの?」

「それはあるのかもしれない」

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