捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 私を抱き締めることは諦めたらしく、控えめに髪に触れてきた。そのぐらいなら、誰かに見られても「ゴミを取ってもらおうとした」などと言い訳が立つだろう。おとなしくされるがまま許すことにする。

「一週間、話せなかっただろう。だから癒しが足りなかった」

「……先週もそうじゃなかったっけ」

「電話をした。十分にも満たなかったが」

 土日のどちらかにしかゆっくり時間を取れないのは主に涼さんのせいだ。趣味は特にないようだったけれど、その分休日にも会社のことをしているらしい。それが染みついた生活を今更私に合わせて変えるのはさすがに難しいようだった。

「もしかして、寂しがり屋?」

「……そうだと言ったら、抱き締めさせてくれるのか?」

「だめ」

「…………」

< 366 / 462 >

この作品をシェア

pagetop