捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「……忘年会が終わってからならいいよ」

「終わらせてくる」

「待って!」

 すぐに会場へ戻ろうとしたのを引き留める。

社長がいきなり解散するよう命じたら、いったいなにごとかと騒がれるに決まっている。そこに考えが至らないような人ではないのに、やはり酔っているようだ。

「わかった。わかったから、もう少しここで一緒に酔いを覚まそう? あなた、今まともじゃないよ」

「翠の前でまともだったことは一度もない気がする」

 髪に触れていた手が滑って私の頬を撫でた。その手つきがあまりにも優しすぎて、不覚にもどきりとしてしまう。

 そんなふうに愛おしげな目で見つめられて触れられたら、誰だって――好きになってしまうだろう。私も今、またこの人に恋をさせられてしまったのを自覚する。

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