捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 ちゅく、と濡れた音に全身が震える。こんな場所でいけない、と思う理性がキスに溶かされていった。頭の中で鳴り響く警鐘がどんどんぼやけて遠ざかっていく。

(私も酔ってたのかも……)

 そう思わせるほど頭がぼうっとして身体が熱い。気付けばキスを求める涼さんの背に自分から腕を回していた。甘い口付けに応え、口内をくすぐる舌に自身のそれを絡める。こんなキスだって前は知らなかったのに、教えてくれたのは涼さんだ。それを思い出してまたぞくりとする。

「翠」

 切なく私を呼んだ声が熱い。ベッドの上での声と同じで、私の意識もぐずぐずにされる。

「あと、五分だけ……ね……」

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