捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「かわいいし、すごくいい子なの。だからどんなにあなたのことを憎んでても、これまでちゃんと育ててこれた」

 涼さんが戸惑ったように鳴の眠る部屋を振り返る。その姿は少し意外だった。

「どうしてすぐに教えなかった?」

「あなたに婚約者がいる話を聞いたから」

「それは初耳だ。俺に婚約者がいたことはない。お前以外に」

「……でも、そう聞いたよ」

 動揺で声が小さくなる。たしかに詳しく調べたわけではないけれど、同僚からその話を聞いたのは間違いない。

「どうせ出所は週刊誌のくだらない記事だろう。今まで結婚など考えたこともない」

 突き放した言い方にかっとなる。

「でしょうね。そうじゃなかったら結婚式に恋人を捨てようと思わないだろうし」

「…………」

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