捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 この人はどうしてすぐそんなふうに人の自由を奪おうとするのか。むっとして振り払おうとしたものの、まったく離す気配がない。

「離して」

「帰るな」

 なぜか涼さんまでむっとしている。一見無表情に見えて、結構喜怒哀楽が顔に出やすいことは過去の付き合いで知っていた。

「まだなにか用があるの?」

「あるから付き合え」

「……だったら最初からそう言って」

 私が残る素振りを見せたからか、少し手が緩む。それにほっとしたのも束の間、なぜか繋がれた。

「ちょっと」

「逃がすつもりはないからな」

 意味がわからないと文句を言えばよかったのに、指を絡められた衝撃で言葉を呑み込んでしまった。

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